湿地とは何か?

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湿地は水と陸地が出会う場所に形成されます。湿地には、マングローブ、泥炭地や沼沢地、川や湖、デルタ、氾濫原、浸水した森林、水田、さらにはサンゴ礁までもが含まれます。湿地は、南極・北極から熱帯域、高山から乾燥地帯、様々な国や気候帯など、どこの地域にも存在します

泥炭地

 3-WG- Pristine peatswamp forest in Berbak National Park (Sumatra)

泥炭地は、枯れた植物や分解途中の植物遺体により形成され、多くの水分を含む厚い土壌層から成る湿地です。

泥炭地には、高層湿原や泥炭湿地林、永久凍土層のあるツンドラなどが含まれます。地球上の陸地面積の3%に相当し、湿地面積の半分が泥炭地です。泥炭地は世界中で見られます。

泥炭地はなぜ重要なのか?

:泥炭地は多量の雨水を吸収して洪水を予防し、貯えた水をゆっくりと放出することで、周年にわたり清潔な水を安定的に供給してくれます。

食糧:何百万人もの人々が、牛の放牧や漁業、農耕のために泥炭地を利用しています。

生物種:熱帯域の泥炭湿地林には数多くの動植物が生息・生育し、その中にはオランウータンやスマトラトラなど、多くの希少種や絶滅危惧種が含まれます。

気候変動:泥炭地は、世界中の森林に貯蔵されている炭素量の2倍相当の炭素を貯えています。攪乱や排水により、大量の温室効果ガスの排出源になってしまう可能性があります。

河川とデルタ

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河川は天然の水路で、ほとんどは淡水です。海や湖沼、あるいは別の河川に向かって流れていきます。

高地に降った雨に端を発し、斜面に沿って沢や小川に流れていきます。デルタは、ゆったりと水が流れ、湿地や浅瀬にも水がおよぶ河川の最下流域に形成されます

河川やデルタはなぜ重要なのか?

水と食糧:河川は、飲料水、食糧、農業用水の重要な供給源になります。また、湖沼に水を補給し、肥沃な堆積物を運んで氾濫原や湿地に栄養を与えます。

移動:河川は、交通や商業のための通り道として、また電力源としても、重要な役割を果たします。

生物種:河川やデルタは、魚類のほか両生類や貝類のような淡水性動物に重要な生息場所を与えます。

マングローブ林

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マングローブは海と川(淡水)と陸地が交わる場所です。

マングローブ林は地球上でもっとも複雑な生態系のひとつで、多くの植物はすぐに枯れてしまうような環境のもとで生育します。マングローブ林は、たびたび海水が満ちてくる潮間帯に形成され、熱帯や亜熱帯域で見られます。アフリカ、オーストラリア、アジア、アメリカなど、世界中の熱帯域の海岸にはおよそ1520万ヘクタールのマングローブ林がありますが、急激に減少しています。

マングローブはなぜ重要なのか?

減災:マングローブ林は、暴風雨や高波による浸水などの激しい気象現象に対して、防御やシェルターとして機能します。また、マングローブは破壊的な津波の威力を吸収、分散することで、90%以上もの力を軽減することができます。

生物種:マングローブの葉や根は、プランクトン、藻類、魚介類に栄養を供給します。またマングローブ林は、南アジアのマングローブ林に生息するサルのような哺乳類や多くの鳥類の生息場所としての役割も担います。

気候変動:マングローブ林は、熱帯雨林に匹敵するほどの炭素貯蔵能があります。

乾燥地帯の湿地

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乾燥地帯や半乾燥地帯は、しばしば季節的な降雨と、あたり一帯が乾燥しきった後も長期に渡って水を貯える湿地によって特徴づけられます。

これらの湿地には、一年のうちのある期間だけ干上がる河川や湖沼、湧き水などが含まれます。このような乾燥地帯は、アジア、オーストラリア、アフリカ、中東、南北アメリカに見られます。

乾燥地帯の湿地はなぜ重要なのか?

食糧:乾燥地帯の湿地は、農民や牧畜民、魚を獲ったり植物を採集したりして生活する人々にとって、なくてはならないものです。

生物種:シギ・チドリ類やサギ類など、ヨーロッパやアジアで繁殖する数百万羽の水鳥にとっても、これらの湿地は重要です。

高地の湿地

Beringovsky, fishing houses of the local people on the lagoon

高地にある氷河湖、沼沢地、湿生草原、泥炭地、河川は、独特の生態系や生態系サービスを支え、人々の生計を維持しています。

高地の湿地は、雨や氷河の融水を貯え、地下水を補給し、土砂を堆積させ、栄養素を循環させることで、水量や水質の両方を向上させています。

高地の湿地はなぜ重要なのか?

生物種:高地の湿地は渡り鳥の中継地として、また、鳥類、魚類、両生類の繁殖場所として重要です。

減災:高地の湿地は、植物の生育を促進することで土壌の浸食を抑え、水の流れを穏やかにします。そのため、下流に流れる水量は一定に保たれ、地滑り、洪水、干ばつなどの災害の勢いも抑制します。

北極の湿地

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湿地は北極の主要な生態系です。全体の面積の60%近くが、泥炭地、河川、湖沼、浅い湾などの湿地で占められています。

北極の湿地は、膨大な量の温室効果ガスを貯えており、地球の生物多様性にとっても、なくてはならないものです。また、地域の先住民族にとっては生活の糧を得るための主要な供給源でもあります。

北極の湿地はなぜ重要なのか?

生物種:北極の湿地は、動植物に独特の生息・生育地を提供します。北極は、多くの移動性動物に欠くことのできない繁殖地や採餌場所を提供しています。

人々の暮らし:北極には、30以上の先住民族を含む400万を超える人々が暮らしています。北極に住む人々は、湿地で魚や水鳥を獲り、植物を採集し、家畜を放牧しています。

気候変動:北極の湿地は土壌に多量の有機炭素を貯えており、地中に炭素を留めておくためには永久凍土層が必要です。気温上昇により永久凍土層が融解すると、莫大な量の温室効果ガスが大気中に放出されると思われます。